屋根裏呟き処

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2024年9月6日の投稿31件]2ページ目)

Icon of reverseroof リュウ みなつむSS だれかの日記


―月―日
    今日はアイドリッシュセブンの晴れ舞台!ライブの日の彼らは何度観ても、どこから見ても、むしろ見る度にどんどんすごくなる!私の自慢のアイドル。私の自慢の虹!
    うーん、もっと演出勉強して、今日よりもみんなを輝かせたいな。
    そういえば今日は皆さんを招待してたんだ。彼にも……今日の感想、聞いてみようかな。

―月―日
    最近、ちょっと忙しい。空き時間に勉強してるからかも。スキマ時間以外はずっと仕事。
    あ、そういえば……連絡、返したっけ?返してないかも……今からラビチャ返そう。怒ってない……よね?

―月―日
    しばらく日記書くのも忘れてた。
    疲れたなあ。
    会いたいな。

―月―日
     今日、久々に彼に会った!お仕事だったのに、帰りに家に寄ってくれた。
    夕ご飯を一緒に食べた。今日の煮物はお口にあったみたい。彼の好物はメモしてるから、追加しておこうかな。

―月―日
    あー。生理近づくと、こう……アレだね、アレ……むらっとするというか……。
    日記だとなんでも書いちゃうな。
    最近、彼とそういうことないな。私も彼も忙しくてそもそも会えてないしね。
    一日中ずっとそういうことする日とか、欲しい……なんて、彼には内緒ね。

―月―日
    体調が悪い。
    経血が多い。
    女ってめんどくさいなぁ……。
    今日のお仕事は万理さんに代わってもらった。申し訳ないよお……。

―月―日
    生理痛で寝込んでて、ふと起きたら彼がベッドにいた。びっくりした。痛み止めとお腹をあっためるものを持ってきてくれてた。
    日記だから書いちゃうけど、見た目があんなにすごいかっこいいのにこんな風に気遣いも出来ちゃったり、ほんとに……私にはもったいないくらいの……でも自慢の彼!
    気を使ってささっと帰ってくれた。でも……キスくらい、して欲しかったな、なーんて……。

―月―日
    彼と喧嘩した。もちろん、私たちの関係性は……うん。日記にも書けない、けど。
    確かに覚悟はしてた。でも、たまーに……。
    街中で腕を組んでるカップルとかが、他の人の目も気にせずに「あれほし〜買ってよ〜」とか言ってるのとか……高校生カップルが手繋いで渋谷歩いてたり……カフェでデートしてる人達とか……。
    あ、プレゼントが欲しいってことじゃない!違う、そうじゃなくって。
    ……仲直り、するべきだよね。
    私が悪かったんだ。

―月―日
    もう、私たち、ダメなのかなー……
    ……こんな仕事じゃ、恋愛なんかろくにできないか。
    いや、でもまあ、彼がそもそも普通の人でもないから……。
    ……日記ですら色々と書けないのが、少し心苦しい。

―月―日
    びっくりした。今日、家に帰ってきたらいつの間にか鞄にラッピングされたものが入ってて、慌てて開けたら手紙がついてた。彼からだった。
    この前は私も言いすぎました。これからも私と一緒にいてくれませんか、だって。苦労はかけるかもしれませんが、貴方と一緒にいたい気持ちは同じなんです、信じられないかもしれないけれど……だって。
    信じられないわけない!私だって、アイドルのマネージャーやってるから、アイドルの彼らをずっと見てるから。彼のやりたいこととか、夢とか、そういうもの、理解できないわけじゃないから。ただ、ちょっと……寂しくなっちゃった、だけだったから……。
    あーあ。彼はこんなにも考えて考えて、向こうから行動も起こしてくれたのに、私といえば子供っぽいわがままばっかで困らせて……。
    ……プレゼント、嬉しいな。……ストールだ。……お仕事でしれっと、使っちゃっても……いいよね?
    あー。誰かに自慢、したいよう……彼から貰った、って言いたいよう……。
    お返し、何がいいかな。

―月―日
    あの喧嘩のあとから、私に気を使ってくれてるんだと思うけど、空いてる時間に通話のお誘いが来るようになった。会うのは難しいけど、喋るのなら時間が作りやすいからって、そうやって考えてくれていたことが嬉しい。
    ほんとは会いたい!もう、いまも会いたくて……ぎゅって……してほしい。……また長いこと会えてない。彼の匂いを忘れてしまいそうで、怖い。力いっぱい抱きしめてくれる時、力強くて痛いくらいなのも、忘れたくない……。
    でも、声が聞けるだけでも……とっても嬉しい。さっきもちょっとだけ喋った。えへへ、いま、しあわせ。

―月―日
    誕生日のお祝いをさせてくださいって言われた。覚えててくれたんだ……せっかく会っていたのに嬉しすぎて、私変な顔してなかったかな?
    お店どこがいいですかって言われて、思いつくお店あげてみたけど少しだけ困った顔をされただけだった。まあ、そりゃ、やっぱ私たちじゃ、こう……年相応のカップルが行くようなミーハーなとこはダメだよね……。むしろ彼が広告になってるくらいだもんね……(これって、ギリセーフかな……日記にどこまで書いていいかいつも悩むなあ)
    サプライズじゃなくてすみません、って言われたけど、むしろ楽しみができて仕事に張合いが出たって言ったら笑われちゃった。貴方は仕事ばっかり、だって。
    よーし!楽しみもできたし、二週間休み無しフル活動だけど、アイドリッシュセブンのために頑張るぞ!

―月―日
    体調が悪い。
    疲れが溜まってるのかな。
    気付いたら寝てて、彼からのラビチャ、不在ばっかり……ごめんなさい……。

―月―日
    あと三日で休み。
    あと三日で休み。

―月―日
    ーーーー(ぐちゃぐちゃとした線がまばらに描かれているが、意図も文字も読めない)

―月―日
    ……もう、生きていたくない……。
    みんなに、申し訳が立たない……。
    週刊誌の表紙やインターネットを見るのが、怖い。

―月―日
    部屋でぼーっとしてたら、いつの間にか彼がいた。お父さんが案内してきてくれたんだって言ってた。顔が合わせられなかったのに、涙止まんなくて、私が泣き止むまで抱きしめててくれた。
    貴方のせいじゃありませんからねって何回も言われたけど、言われるたびに苦しくなった。
    一番恐れていたことになった。
    私は彼の人生を壊した……もう、何しても償いきれないよ……。

―月―日
    彼、今日も来た。会いたくない、って言ってドア越しに追い返しちゃった。なんか……悲しそうだった気がする……ごめんなさい……。
    会いたいよ。ぎゅってしてほしいよ。不安だよ。でも……。
    ……お別れ、しないと。そんでもって、広まってるスキャンダルは事実無根ってことでなんとかしないと……。
    ……私たち、付き合っていたことすら嘘にしなきゃいけないんだ。
    彼と付き合うまでは、当然だって思ってた。有名人の熱愛発覚って、結構ショックだったし。でも、いまは……。
    彼も、私も、ただひとりの人間としてお互いを好きになっただけなのに、どうしてこんなに知らない人達にやんや言われないといけないんだろう。
    彼の精神が心配。でも私に出来るのは、謹慎くらい……。

―月―日
    一ヶ月も引きこもってたから、現場復帰初日の今日、ガチガチに緊張しちゃった。
    あっちこっちでひそひそ言われてるの聞こえてた。また彼に迷惑かけちゃったな。アイドリッシュセブンのみんなもなんかこう、腫れ物触るみたいだったし……申し訳ない……。
    ずっとラビチャも無視してたから、今日彼のユニットメンバーづてに伝言を預かった。結局私の誕生日を祝えなかったから、祝わせて欲しい、いつなら空いているか、だって。こんな形で皆さんにバレるの、最悪だったな……。
    ……最後に。本当に最後に、会いたいって思っちゃってる自分がいる。これって……甘えても、いいのかな……。
   お別れのプレゼント、用意しておこう。

―月―日
    明日、彼との食事の日。
    楽しみなのに、これが最後だと思うと苦しいな。変な汗ばっか出るし。色々思い出して、きついな〜……。
    別れましょうって、ちゃんと言えるかな。練習していこう。
    泣かないようにしなくちゃね。

―月―日
    別れを切り出したら、なんか、結婚する話になってた。
    ……?
    今日は、寝よう……久しぶりに彼と抱き合ったりしたし、頭が働いてないのかも……。今日の彼、なんか……優しかったな……。

―月―日
    だんだん落ち着いてきたら冷静になってきた……けど、え!?ってなった。私、プロポーズされたってこと……?
    彼に本気だったのか改めて通話で聞いてしまった。何馬鹿なこと言ってるんですかって一蹴されちゃったけど。
    でも確かに、彼が言うように、結婚報道を間近に控えていました、バレちゃいましたけど、っていうのは鎮火にはいいのかも……?
    ……。
    私、なんかうまく言いくるめられてたり、する?

―月―日
    あれ、なんか……一緒に住む家の話とか決まってる……。

―月―日
    引越しの日取りが決まってた。
    彼が家に来て、判子あります?って聞かれたからここにありますよ〜って言ってたら、なんか婚姻届完成してた……んだよね。
    明日出しに行きましょうね、って言われた。珍しく二人ともオフなので、そのままちょっとデートしましょう、だって。
    うーん……?

―月―日
    名字が変わった。
    棗紡。
    二文字になったなぁ、って思った。
    デートでいっぱい手繋いでくれて、エスコートしてくれて、嬉しかったな。
    もう隠す必要ないですからね、少しくらいなら見せつけてやっていいんですよ、って言われて。嬉しかったなぁ。
    これからはもう少し、二人でお外に行けたりするんだろうか。

―月―日
    結婚報道の日だった。ずっと怖くてヒヤヒヤしてたけど、ナギさんが彼なら大丈夫ですよって、一緒に会見を見守ってくれた。
    ネットでは賛否両論。でも結婚間近で用意してて、実際にもう結婚してます、っていうのがなんか、よかったらしい?
    本当のファンならそのうち戻ってきますよ、って彼は笑ってた。芸能人ってやっぱりタフだなって思った。

―月―日
    一緒に暮らし始めた。彼……ってもう書かなくていいのか、付き合ってるっていうか結婚してるの報道されたから……巳波さんはびっくりするほど物が少ない!だから私の物で部屋がいっぱいになっちゃったけど、そのままでいいですよって言われた。
    結婚式してないから結婚の実感はなかったけど、巳波さんに一日「お嫁さん」だの「妻」だの「奥さん」だの呼ばれてるうちに、なんか……ああ、結婚したんだなぁって思った。
    でもいつか……ウエディングドレス、着たいなぁ。

―月―日
    家族親戚とお世話になっている関係者の方々をお招きして結婚式をした。
    巳波さんは本当に綺麗で……惚れ惚れしちゃった。ウエディング雑誌の表紙の撮影みたいだなって思ってたのに、私に誓いの言葉言うし、私にキスするし、現実なんだなぁって思った。
    お父さん、めちゃくちゃ泣いてて面白かったな。皆さんが用意してくれたプレゼントや余興もすごく嬉しかった。
    今日、一生忘れられない日になりそう。

―月―日
    幸せだなあ。

―月―日
    ここを区切りに、日記の存在を忘れてしまったのか、書く必要がなくなったのかは知らないが、途切れている。たまたま見つけてしまっただけなのだが……読んでしまった。
    また紡さんが日記を書こうとした時にびっくりさせてみたいので、ここには今日の私の日記を書いておく。彼女、どんな顔を見せてくれるだろうか。
    ねえ、紡さん。私も今、幸せですよ。
    一生離さない。
    次に私か貴方のどちらかがこの日記を思い出し、中を開く時にも、私たちは一緒に幸せでいましょうね。
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