屋根裏呟き処

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No.5149

Icon of reverseroof リュウ みなつむ 散文

紡さんが人を好きになって

桜が咲いて舞い落ちて

陽射しがアスファルトを焦がし

色づき損ねた紅葉がそよいで

柔らかく積もった新雪の足跡は二人分


私と結ばれないでください と彼女は言った

だから私は彼女を愛したのだ


紡ぐ歌声 十六夜の彼方
逡巡せし二人の靴音
吾は白く闇に浮かぶ彼女の手を
引くか 引かずか


地球が大きな磁石と言うのならば
私たちは惹かれる運命だったのではないのでしょうか


騒がしい街を行き交う人間の群れを見つめる彼女の頬を照らす陽光
午前十時 待ち合わせの彼


1枚のメモ紙
開いた折り目は懐かしく
添えてある貴方の言葉が
私には愛しくてたまらないのです

まるで そう
私が知らないその頃の貴方を
見ているような気がするのですから
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