屋根裏呟き処

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No.8333, No.8332, No.8331, No.8330, No.8329, No.8328, No.83277件]

NO IMAGE リュウ センターズめちゃくちゃいい
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NO IMAGE リュウ これいいなぁwwwwwwwwwwwwwww
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NO IMAGE リュウ ワンライ楽しかった
NO IMAGE リュウ みなつむSS ワンライ
キラメキユラメキトキメキ
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    べっとりと、滲んだ汗が服を突きぬけて肌に滲み、私の肌と彼女の肌が馴染んでいる間、唇に触れている体温はうだる夏の中であっても、とても熱く感じられた。首に回された腕は離れる意思を見せず、ただただ目をぱちくりとさせ、抵抗もろくにしていなかった私が出来たのは、顔を離した後の彼女が酷く気まずそうにしていたから、微笑んで見せてみることだけだった。
    二人きりになって、今更気まずいと思う相手でもない。それもたまたま、つかの間の間だけ、私は宇津木さんが呼ばれていってそれきり、小鳥遊さんは監督と話をしている二階堂さんに最初は並んで挨拶をしていたが、盛り上がっているようで気を使ったのだろう、部屋へ戻ってきた彼女は何か逡巡したように見えたが、お隣よろしいですか、とすぐにいつものように微笑んだ。どうぞ、と私が頷くと、この広い部屋の中、彼女はほんの少し隙間をあけて、ソファの私の隣に座った。鞄をあさり書類を取り出して、仕事の確認をしているようだった。
    五分経てど、宇津木さんも二階堂さんも戻っては来ない。宛てがわれた部屋は、エアコンの調子がいまいちなのか、はたまた耐え難い地球温暖化の賜物か、ほんのり汗が浮かび上がってくる程度ではある。あまり長居をしたいとは思えないこの状況に、私の方から赴くべきだろうか、と次のスケジュールの兼ね合いから出ていこうとしたその時だった。
    動きを止められた、何が起こったのかよくわからないまま、理解したのは唇を重ねられてから。小鳥遊さんが、私が立ち上がりきらないうちに飛びつき、そのまま吸い込まれるように私の口に自分のそれを重ねた。そうして今に至るが、彼女は自分から接してきたことにそぐわないほど、私と目を合わせず、気まずそうにしている。
「……何かの罰ゲームでも?」
    アイドリッシュセブンのメンバーと、そんな約束でもしたか、と暗に問うたものの、彼女が最高速で首を振るのと同じくして、そんな訳が無い事くらい、もう私も彼らのことをよく知っている。小鳥遊さんはそのまま恐る恐る、今度は私の胸元に抱きつき、ちょうどよく私の腕に収まってしまった小さな体に、これはいよいよどうしてしまおうか、とぼんやり考えた。
    嫌悪はない。むしろ、好ましいと思った。ただ、彼女を少しでも知っている者として、素直に喜べないとも思った。小鳥遊さんが普段どれくらい公私に線を引いているのかなんて、知らない者なんていないのだから。
「それでは……これは、一体」
    彼女と密着していると、余計に汗をかいた。彼女は何も言わないし、しかし離れようともしなかった。少し考えて、離れることが恥ずかしくなってしまったのかもしれないな、と、これまたぼんやりと考えた。明らかに恋愛慣れしていないのは、御堂さんとのやり取りから見えているし、現にいまこのアプローチの取り方は、きようび女子中学生でもしないだろう。
    ここでふらっと二階堂さんが、宇津木さんが、帰ってきたらどうしようか。否、二人ならいい。悪ふざけをしていたのだと伝えれば大事に至らない。困るのは、誰かほかのスタッフに見つかってしまった時に、言い訳は無い。そして……被害を受けるのは当然、私では無い。――ふう、と一つ息をつき、私は腕の中の彼女を手放した。相変わらず、目が合った彼女は急いで逸らす。しかし、今度は私が許さなかった。
    力を入れずに引っ張ると、無警戒だった体は容易く私の腕に戻ってきた。そのまま、私はその細い体を力いっぱい抱きしめ、今シーズン流行りの色に染まった唇を私から奪った。
    べったりと、密着した肌が汗を持つ。薄い服を通した水分は、私のものか、彼女のものか。啄むように色を落としていき、素の色となった彼女の唇に、今度こそ深く口付けた。
    彼女はただじっとそれを、受け入れていた。しれ、と目を開けてみたが、それが満足であるのか、困惑であるのか、はたまた他の何かであるのか、私にはわからなかった。
    足音の気配を感じ、私は少し乱雑に彼女を離し、元に戻した。戻っていないのは、その惚けた顔だけで、嗚呼――好きなんですね、と確信めいた時の私の気持ちもまた、困ったものである。扉が開いた瞬間、マネージャーとして元の顔に戻る小鳥遊さんは、役者より役者向きだ、なんて思いながら、私は少しだけ自分の唇を指でなぞっていた。
「なんかこの部屋暑くね?……あー、ほら、マネージャーもだし、棗ちゃんも、汗すげーじゃん」
「本当だ。お二人共、体調を崩されてませんか?飲み物飲んでます?」
「ええ、私は大丈夫ですが……少しエアコンの効きが悪いようでして、ふふ、べたべたに。……小鳥遊さんは」
「へ?」
「小鳥遊さんは……大丈夫、ですか。……ご体調は」
    刹那、私たちは二人だけの空間にいた。音は無くなり、二階堂さんと宇津木さんは大道具のように存在感を逸し、全てがスローモーションになる――もちろん全て、錯覚でしかない――私はそっと、ハンカチで汗をぬぐう。それが、私の汗であるか、別の誰かのものであるのか、混ざりあった体温はじんわりと、身体ではなく、もっと深い場所へ、遅効性の毒のように侵食していく。
「……私は……」
    鞄を持ち、冷感シートで化粧を崩さないように汗を拭きながら、彼女はいつもより少しだけ上気した顔で、儀礼的に微笑んだ。
「……少し暑さに、やられてしまったかもしれません」
「そう。体調には、どうかお気を付けて。それと……」
    ぺ、ろり。私もまた鞄を用意しつつ、敢えて彼女に見せつけるように、まだ湿ったままの唇を舐めた。目を見開き、しかし必死に無反応を装う彼女に、私は目を細めて首傾げ、小さく片目を閉じて言う。
「どうか陽炎には、お気を付けて」
「……は、はあ」
    それでは、と言い残し、私と宇津木さんは部屋を後にした。一応、と手渡されたスポーツドリンクに口をつけながら、先程までの湿度が嘘のような車内で窓に寄りかかった。
    ――陽炎を見ていたのは、私のほうだったのだろうか。この酷い暑さの中ではもう、今更、わからない。
畳む
NO IMAGE リュウ 鮫島先生復帰の呟きを見て
ep6のアルとチャコの「なんでなん!?いっぱい素敵なもんもっとるやん!」「持ってるものが欲しかったものとは限らないよ」が頭をよぎった
Akaliさんのこととかも思い出して

あんなふうになれたら…とn万人が思っていても
なかなかままならないもんだなと 思うなどした

複雑怪奇生物Homo sapiens
NO IMAGE リュウ そういえばカレーある
明日カレー食べよう