屋根裏呟き処

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20240924追加 onelinkers SNSをまとめています

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全年全月18日の投稿176件]4ページ目)

Icon of reverseroof リュウ 巳波がいつも夜激しいのでお昼の間に疲れさせようと考えた紡が遊園地で巳波を連れ回す。だが巳波の体力は底を知らず、疲れきっている紡は抱き潰され、その甲斐あってか翌日はぐっすり眠れた。ちがう、そうじゃない。 odaibako.net/gacha/2542
Icon of reverseroof リュウ すれ違った結果別れた巳波と紡、将来的に別の人と結婚して子供を得て会って、それでもやっぱりちょっとまだ好きみたいな感じになりそう
一回くらいキスしそう 物陰で
Icon of reverseroof リュウ みなつむSS 馬鹿みたいだ


    最後、彼は微笑んでいた。自分も笑っていた。これでお別れなのだと思いながら交わしたキスはやけに淡白で、それが余計に終わりなのだということを紡に実感させた。離れていく彼の熱は、いつもの何倍ものスピードで消えていった。
    現場での自分たちは何ら変わらない。この時ばかりは他社で働いていることに感謝した。もし自社で毎日顔を合わせていたら、いつもの様に笑顔は繕えなかっただろう。付き合っていることすら周りの誰にもバレなかったのだから、別れたって何が変わるわけでもない。変わるのは自分たちの気持ちだけだ。
    人は変わる。時間が合わなくなった。生活が合わなくなった。何より些細な価値観が合わなくなっていった。紡がいくら努力を重ねても塗り替えられなかった違和感を、彼は負担に思っていたのだと知った。彼もまた努力で塗り替えようとしていたことに、紡も負担を感じてしまっていた。だから……別れましょうか、そう言われた時、ほんの少しだけほっとした自分がいたのも事実なのだ。
    部屋に残された私物は各々で片付けておくように決まった。たまにお互いふらっと家に泊まりにきていたから、下着や小物なんかが少しだけ残っていた。紡はそれらを拾い集めながらも、捨てられないままそっと箪笥にしまい込んでいた。今日こそはと思って引き出しを引いても、手が震えてまた押し戻す。その繰り返し。今日、お疲れ様ですと声をかけてくれた彼に、ちゃんと笑い返せていただろうか――。

    帰宅後、買ってきたものを冷蔵庫に詰めながら、紡はふと手元にあるゼリーを見やった。スーパーによく売っている安くて容量の多いゼリーが、二つビニール袋に入っている。
    二つ。
「……間違えちゃったな」
    はは、と乾いた自分の笑い声が静寂に木霊して、ふと紡は部屋をゆっくり見回した。ソファにはクッションが二つ。テレビの前で、笑っていたいつかの自分たちが見えた気がした。くだらないことで笑い、くだらないことで喧嘩して、それでもその先に幸せがあると信じていた。終わりなんて、想像したこともなかった。あの時からずっと彼は悩んでいたのだろうか。何も考えずに彼に甘えていた自分に反して、彼は……。
「馬鹿みたい、私」
    ぽろぽろと止まらない雫が頬をつたっていく。構わずに馬鹿みたい、馬鹿みたいだ、と繰り返した。
    終わったことなのに。私はまだ、きちんと終われていないようだ。



    いくら唇を重ねても、いくら体を重ねても、埋まらない何かがずっと自分たちの邪魔をしていた。何度手を重ねても、心まで重なっていない違和感が、ずっと巳波を悩ませていた。
    長く付き合っていくうち、お互いに忙しさは増していった。手柄を立ててキャリアを積んでいく彼女と、アイドルとして大成していく自分。成長は楽しかった。忙しさすら心地よいと思っていた。彼女の成功も、自分の事のように嬉しかった。ただ、少しずつ、自分たちの関係には疑問を抱き始めていた。
    仕事と自分、どっちが大切?なんて、厄介な恋人同士の揉め事の常套句に過ぎないと思っていたのに、自分がそう思う日が来るとは思わなかった。巳波が二人で一緒に過ごしたかった日を、彼女は自分の担当アイドルと過ごした。ごめんなさい、と後日訪ねてきた彼女を抱きしめても、寂しさが埋まらなくなって行った。……焦った。
    自分が彼女を嫌いになってしまうのが、怖くなった。だから。別れましょうか、重くなりすぎず、軽くなりすぎないように、二人で並んで座っている時に、そう言って微笑んだ。何処を見ればいいのかわからなかったから、宙の一点を見据えて。横目で見た彼女の顔が強ばっているのに気づいて、慌てて目を逸らした。言葉は何も続けられなかった。やがて、わかりました、と言った彼女は微笑んでいた。いつものように――。
    別れを切り出したくせに、出ていく彼女を抱きしめたのは自分だった。愚かしい、馬鹿みたいだ。そう思いながら困惑気味の彼女の唇を奪った。それ以上はもう駄目だ。そっと触れて、離れた彼女の熱が、いつまでも……今でも、唇から離れていかない。

    現場での彼女と自分は普通のままだ。誰に付き合っていることを話してもいなかった。だから、変わったのは自分たちの気持ちだけ。外観は何も変わらない。秘め事はそのままに。しかし、どうしても彼女の揺れる後ろ髪を目で追いかけて、やめる。その繰り返しだ。彼女はもう吹っ切ってしまったのだろう、巳波のような名残を惜しむ様子は微塵も見受けられなかった。
「女性は、強いな……」
    彼女の私物は別れた日にすべて捨てた。名残惜しい、離れ難い、そう思う前にすべて消し去ってしまいたかった。それなのに。部屋のどこに居ても、なぜだか彼女の匂いがする、気がする。彼女の気配がする、気がする。冷蔵庫の中身を取り出しながら、夕飯何に……と声を掛けようとして、誰もいないワンルームの居間を見つめて、はっとする。
    これじゃ、振られたみたいじゃないか。振ったのは自分の癖に?
「馬鹿みたい、私」
    ぽたり、床に落ちた雫を見て、慌てて巳波は袖で涙を拭う。なんだか妙に可笑しくなって、馬鹿みたい、馬鹿みたいだと呟いた。
    終わらせたはずなのに。私はいつまでも、終わりに出来ないままでいる。
畳む

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Icon of reverseroof リュウ あとコンテンツとして見やすくしてくれてるのもやっぱ好き
Icon of reverseroof リュウ 牛のデトロイト久々に見てる やっぱいいなぁ
牛の言葉選びの一つ一つが好きだなぁ
Icon of reverseroof リュウ 月一で変えてみようかな
Icon of reverseroof リュウ 拍手コメントあと5個設定できるしぼちぼち増やそうかな〜
とりあえず内容だけ変えたが
NO IMAGE 屋根裏の少女 2024.03.18
拍手1〜5のコメントを季節に合わせて変更しました。
Icon of reverseroof リュウ AGAIN ミヅキの力の暴走にツバサは「化け物」って言ってしまって
ミヅキに引け目を感じたままで 襲われてるミヅキとミクを見つけたけど、爆発に巻き込まれたミヅキが滝つぼに落ちるのをギリギリで止められず
探して探して、川の下流のところのある小さな村にミヅキがいるのだが、一時的なショックで記憶をなくしており、優しいおばあさんとおじいさんと過ごしているミヅキをツバサは「こいつはここにいたほうがきっと幸せなんだ」って言うんだけど
狙われてるミヅキは村が自分のせいで襲われた時に全てを思い出し、命懸けで村を守る その時、ミヅキにあんなに優しかった老夫婦もまたミヅキを化け物と呼び、ミヅキはそのまままたしばらくはミクと行動になる……
Icon of reverseroof リュウ ルドミヅ以外の脳内アニメ見たいな…って思うと次のAGAINでミヅキが記憶喪失になっててツバサがこのまま置いていこうとするシーンが好きだったなと思い出した
Icon of reverseroof リュウ 眠りたい 眠れますように
Icon of reverseroof リュウ やっぱラムリ愛しすぎるね
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Icon of reverseroof リュウ このお菓子 明日頑張った後にひとつたべたい
Icon of reverseroof リュウ ミルキーウェイ観光ガイドand……🧡
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Icon of reverseroof リュウ っていう夢見た 結構面白かったな
Icon of reverseroof リュウ 幽霊屋敷創作
音楽にちなんだ幽霊たちがいる
自分は使用人として潜り込む
Icon of reverseroof リュウ やっぱゼル香水は如月じゃね?
Icon of reverseroof リュウ 夕月と八原の子たち
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Icon of reverseroof リュウ ゼル香水ではなく夕月香水だと思い込む厄介創作クラスタをやることによって、クソ……メンヘラのくせにいい匂いしやがるぜ……になっている
Icon of reverseroof リュウ 私は私を守ってやらねばならない…
Icon of reverseroof リュウ こころがボロボロに傷ついている
Icon of reverseroof リュウ ゆめにっき あなたの夢に私はいない

読了。
ゲームは既プレイで色んな要素を遊んでクリアもしたけど、ぼんやりと覚えてる程度。
原作にはストーリーらしいストーリーがなく、主に考察ゲーだったのでそのノベライズというのが一体どうなってるのかと思いながら読んで、けっこう退屈で途中で放り出してた。1章も2章もラストで急におもしろくなって、今日ようやく読了。
公式ノベライズでもゆめにっきという作品の公式見解ではないんじゃないか、と私は思うけど、なるほどそういうストーリーがあっても面白いなと。特に原作ではラストでたいへん心を痛めたんだけど、エフェクトを全部捨ててから飛び降りるところを精神医学行為の人形になぞらえてる辺りは日日日だなぁと思った。終始語り口も日日日だなぁと。普段からまどろっこしい文章を書くけど、ゆめにっきへの抜擢は大正解だったように思う。
「私」に焦点が当たっている部分も面白いし、「あなた」の行動はゲームでやったことを思い出す順番や描写になっていて、メディア媒体としてのゲームと小説の違いを感じた。
面白かったか、と言われたらどうだろう。でも興味深いとは思った。

やっぱ当時はインターネットっていうアンダーグラウンドのフリーだからこそ作られた文化を商用で食い荒らされるのが嫌で、こういうのを読むのも本当に嫌だったのだけれど……
商業小説を読んで、さらにフリーゲームという文化が私は好きなんだなと思いましたね。
いや〜 プレイしたの数年前だったし すごい懐かしくなった。またプレイしたいですね、ラストまで行かず好きなところだけをのんびりと。
そして覚めない夢を過ごしていたい。畳む